フィリピン・マニラのタクシーで拳銃を抜かれた話。海外は常に危険と隣り合わせ、日本の常識はすぐに捨てましょう!
こんにちは。
私は19歳から海外に住み始め、今年で8年目の海外生活を迎えています。
今まで中国、フィリピン、タイ、マレーシア、ドイツと住んできましたが、2カ国目のフィリピンで命を落としかけたことがあります。。。
海外は楽しいですが、反面日本では考えれないことが多発するのでその一例として読んで頂ければ幸いです。
映画のタクシー内で起こるアクションシーンはご覧になったことがあるかと思います。
当時私の身に起こったのはまさにあれです。。。
当日、フィリピンのマニラでタクシーを捕まえ、友人1人とケソンという街に向かっている最中に事件は突然起こりました。
マニラのタクシーには安全のために運転手の周りに鉄網が張られているのですが、当タクシー運転手の側の後部席には彼の荷物?が置かれていたので、私は助手席に、友人は私の後部席に座りました。
運転手の身を守るための鉄網が、まさか乗客をトラブルに巻き込むトリガーになるとは、今となっては笑い話ですが信じ難いお話です。
乗車して間もなく、彼は東南アジア独特の人柄も良さそうな方で彼の家族の話をしてくれました。
奥さんとお子さん2人の4人家族で、彼はマニラで運転手をしているが奥さんは出稼ぎにセブへ行っており、お子さんは基本的に祖父母に預けているとのことでした。
来週は長女の誕生日だからプレゼントを買って行きたいが、お金が足りないからチップとして恵んで欲しいと頼まれました。
考えてみればちょうどこの時、マニラを抜けてケソンの田舎道に入りかけてた頃でした。。。
海外に出て間もない頃は、こんな話をされるとチップを渡していたのですが、1年ほど海外に住み、基本的にチップは渡さないと決めていました。
なぜなら実際には困ってないのにそのチップで酒やドラッグをする依存症との出会いがあったからです。
そしてNoと答えたその瞬間、楽しそうに話していた運転手からは笑顔が消え、座席と背中の間に仕込んでいた拳銃を取り出し私に向けました。
「If you don't give me a money, I shoot you! (もしお金をくれないならお前たちをここで撃つ!)」
と言い張るのです。。。
こんなことが現実に起こるのかと、ビビリにビビリ散らかしてました。
恐怖からほとんど当時の記憶はありませんが、拳銃が本物なのか、イメージトレーニングを積み重ねたようにこの状況下ではこうするとか、そんなこと一切頭に浮かばないくらいの緊張感です。
ダメ元で反抗しても拳銃が本物で撃たれたら人生が終わる、そんな恐怖からどうすることもできず、勇気を振り絞って声を出しました。
「Please calm down, how much do you want?(どうか落ち着いてください、いくら欲しいのですか?)」
少し考えた後、運転手からは予想外の言葉が返ってきました。
「Put your wallet, phone, and get out from here!(財布とスマホを置いて降りろ!)」
拳銃を所持していることもあり、さっきよりもだいぶ要求が大きくなりました。
しかしスマホと財布内のカード類、特にフィリピンでの身分証明証は死守したく、ちびりながらも必死に一か八かで交渉に出ました。
「Sir, I give you all of my money, but please, please let me take phone and cards...(お金は全部あげるから、どうにかスマホとカード類は勘弁してください、、、)」
当然、「No」と返答が来るかと思っていましたが、しばらく渋い顔をした後運転手からは意外な言葉が、、、
「Sure, but you can't take a picture of my taxi, I will give your phone and cards after you get off from here(良いけどタクシーの写真は撮らせない、お前たちが降りてからスマホとカード類は返してやる)」
今考えるとよく悪事に頭が回る人ですね。
意味のないカード類、売れるかわからないスマホを奪うより、お金だけ奪って逃げることを選択したのです。
タクシーを降りた後、なぜかスマホとカード類だけは約束通り返してくれました。
ナンバープレートの写真は撮らせまいと高速で去って行きました。
正直、ナンバープレートを記憶する気力すら失っていたし、またトラブルになりかねないので考えてなかったのが本心です。
後に友人は後ろから援護に回ろうとしたが、運転手の後部席には彼の荷物が置かれているため動けなかったと話しています。
そうです、これは完全なる計画的犯行だったのです。。。
アクション映画のような格好良いものではなく、本当に動けずにただ命さえ守れればと願うばかりでした。
完全たるノンフィクションであり壮絶なる約30分でした。
今は自分のストーリーとして笑いながら話せますが、この局面に陥った当時は本当に人間は脆いものだなと痛感させられました。
再度となりますが、皆さんも海外に行かれる際は楽しみつつも緊張感を持って生活されることをオススメします。
また、今回のようなケースの場合、例えそれが100万円、1000万円であっても安いものだと思います。
命に替わるものはありませんから。。。
私も危険地域などの訪問は好きですが、ほどほどにするようにします。